あなたはコードバンの革小物を購入するとき、その新しい美しさに喜びを感じると同時に「将来、このコードバンはどのように経年変化していくんだろう?」と思ったことはありませんか?
GANZO製コードバンの長財布を使い続けて10年。
僕がこのコードバンの長財布を購入したのは2015年のことでした。
財布の価格の200倍が持ち主の年収になるという本やジンクスがあり、ためしてみようと、当時7万円したこの長財布を購入しました
あれから10年が経ち、今も現役で使用しています。
この財布は、美しさを保ちながらもその経年変化によって独自の風合いをまとい、ますます魅力を増しています。
この記事ではコードバンの長財布の経年変化と、新品と比較した具体的な変化の様子や魅力について詳しく解説しました。
また、長く使い続けるためのケア方法についても触れています。
今お手持ちのコードバンやこれから購入予定の方々のコードバンが、世界で唯一無二のコードバンになるお手伝いができれば、コードバンに魅せられた僕の大きな喜びになります。
楽天でGANZOコードバン長財布を見てみる【コードバンの経年変化】新品と10年経年変化したコードバンの違い
コードバンの経年変化について、新品と10年ものコードバンの違いを5つのポイントに絞ってお伝えします。
- 外観
- 質感
- 香り
- 使用感
- 存在感
外観
10年使用によるコードバンの外観の経年変化について
新品のコードバン長財布は、ブランドを問わず均一で光沢感のある仕上がりが特徴です。
特にアニリン染めの場合は水性染料を使用するため、光を通して鮮やかな発色が楽しめ、
表面は少し固めで、ほんの少しだけザラついた感じがします。
一方10年もののコードバン長財布は、柔らかくツルツルでギラギラしたツヤがあります。
これは一朝一夕で変化したものではなく、
長年の使用とともに、徐々に変化してきたもの。
色も均一なダークブラウンではなく、一部の色が脱色し少しマダラ模様に変化してきます。
ゆっくり変化していくのでタイムリーに実感することはありませんでした
この変化はアニリン染めのコードバン特有の性質で、長く使い続けることで生まれる魅力なのです。
GANZOのコバの耐久性が凄い
元々GANZOのコバ処理は、美しさと仕上げの良さで高い評判を得ています。
実際のところGANZOのコバ処理は、他ブランドと比較しても頭ひとつ抜きでています
新品のコバの美しさは他に類を見ませんが、それだけではありません。
使用して10年が過ぎても激しい劣化が見られず、改めてGANZOのコバ処理の凄さを実感させられます。
下の新品と比較して確かに劣化はしていますが、剥がれたり、ちぎれたりしている部分はまったくありません。
まだまだ現役で使い続けられるレベルです。
市場には多くのブランドがありますが、GANZOのコバ処理は他ブランドと比べて確実に優れていると言いきれます。
僕は長く革小物を使ってきましたが、コバ処理を観察するだけでその革小物の品質全体をある程度判断できると考えています。
コバ処理はブランドの技術力を表す指標になる
GANZO製の新品のコバが美しいのはもちろんですが、長期間使用した後でも激しい劣化がなく、日常的に使い続けることができる品質を保ち続けています。
改めて感じるのは、GANZOのコバは美しさや仕上げの丁寧さだけでなく、耐久性も一級品であるということです。
GANZOのコバ処理の持つ耐久性と美しさは一朝一夕ではなく、親会社であるAJIOKAが革製品を作り続けて
100年以上の実績と経験、技術の集大成によるものだと言えます。
香り
新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めのコードバンは新品の場合、少しだけ香りはあります。
ただしあまり強い香りではありません。
新品でもほとんど香りがないので僕が使っている10年ものだと、まったく香りはありません。
コードバンの香りを楽しみたい人は、ホーウィン社のシェルコードバンをおすすめします。
同じコードバンでも新喜皮革とホーウィン社の香りは、強さも香り自体もまったく違います
僕のシェルコードバンのキーケースは使用してから2ヶ月が過ぎましたが、まだまだ強い香りを放っています。
僕の経験では半年〜1年くらいは香りを楽しむことができました
使用感
新品のコードバン長財布は、初めて手にする際にはそのカチッとした質感に驚くことでしょう。
アニリン染めのコードバンは、オイル仕上げに比べて含有するオイル量が少なめです。
オイルはコラーゲン繊維の奥まで浸透しておらず、中間くらいまでの浸透ですので
オイル仕上げのコードバンに比べて、少し固めに仕上がっているのです。
新品の場合は特に固く、シャープな質感を感じます
内装の牛革は購入直後はカード入れもスムーズとは言いにくいのですが、1ヶ月も使っているうちにアタリがついきてきて使いやすくなってきます。
コードバン自体は引っ張りやシワに対して非常に強く、表面はしっかりとした張りとコシを持っています。
しかし内装が牛革の場合は、コラーゲン繊維の構造上の理由でコードバンよりも劣化しやすい性質があり、
カードポケットや小銭入れのファスナーがついているためお札やカード、小銭の出し入れの機会が多く、さらに傷みやすい環境なのです。
10年もののコードバン長財布は内装と外装の経年変化に差が出始めている
10年もののコードバン長財布は、何度も手に触れられ胸ポケットやバッグの中で使い込まれてきたため、柔らかさとしなやかさが増しています。
ですので、このコードバン長財布は、経年変化により唯一無二の表情を持ち、持ち主である僕とともに過ごした時間が刻まれています。
そのため日常の使用にも僕のクセなどのアタリがついていて使いやすく、さらに愛着が湧く逸品になっています。
そのためコードバン長財布は単なるアクセサリーを超えた
「かけがえのない相棒」としての価値を持つのです
コードバンの魅力は、この長い時間の中で進化し続けることにあります。
新品の美しさも素晴らしいですが、使い込むことで生まれる独自の味わいもまた、コードバンの真の魅力と言えるでしょう。
【経年変化】2015年に購入したGANZO製コードバンについて
2015年に購入したGANZO製コードバンについてお伝えします。
その前に知っておいていただきたいことがあります。
それは日本国内に流通しているコードバンは、大きく分けて3つの種類があるということです。
- 水染め(アニリン染め)
- オイル仕上げ
- 顔料染め(塗料染め)
この3つの中でも愛用者が多いのが水染め(アニリン染め)のコードバンで、僕の10年もののコードバン長財布が
これに相当します。
コードバンは年月と共に味わいと美しさが増していくことは、この記事をお読みくださってる方は
すでにご存知だと思います。
僕が2015年に購入した水染めコードバン長財布の特徴は以下のとおりです。
- 外装のコードバンは新喜皮革製で染色はレーデルオガワの水染(アニリン染め)
- 内装はナッパCBというイタリア製牛革
- GANZOと阪急のコラボ限定品だが外装のコードバンは定番品とまったく同じ
限定のコラボ品なので内装が、イタリア製ナッパCBという牛革で同じものはすでに販売してません
(定番品の内装は国産牛ヌメ革)
しかし外装のコードバンは新喜皮革が鞣し、レーデルオガワの染色ですので、GANZOやキプリスで同じコードバンが入手可能です。
経年変化によって個性が生まれコードバンの魅力が深まる
アニリン染めのコードバンは、購入直後の状態だと少し固めでマットな色合いが特徴です。
下の新品のコードバンの画像をごらんください。
鈍い(にぶい)光沢はありますが、鏡面のようなツヤはありません。
この新品のコードバンが長い時間をかけて使い込むことで、10年ものコードバンのようなツヤと質感に徐々に変化していきます。
購入当時は経年変化のことなど、まったく考えておらず
こんなに変化するなど夢にも思ってませんでした
2015年に購入したコードバン長財布も時間と共に外観が変わり、鏡のようなツヤと個性のある色合いへと進化していきました。
光や空気中の酸素により染料が繊維から徐々に抜け、物理的な力が加わり、質感やツヤが変化していき
美しいコードバンに熟成されます。
経年変化の過程は持ち主の使い方、お手入れ、保存方法による影響が大きいので同じものは無く、まさに
唯一無二のものに育つのです。
このように時間と共に少しずつ持ち主によって違った個性を持ったコードバンができあがり、
世界で唯一無二、あなただけのコードバンになっていきます。
人生を共に生きる相棒
経年変化を楽しみながら唯一無二の存在になることができるコードバン長財布は、人生を共に生きる相棒です。
2015年に購入した僕のコードバン長財布も、初めの頃はシャープな外観と固い感触がありました。
しかし、今ではとんがった部分は消えて、丸くなり深みのある独特の質感と色味へと変化し、
加えて美しいツヤ感を放っています。
まるで人の成長のようです
このような経年変化を経て唯一無二の存在となるコードバン長財布は、
一つのものを大切に使いたい人にとって、かけがえのない逸品になります。
愛情をもって触れ、手入れをし、変化を楽しみながら人生を一緒に過ごすことができるのがコードバンの
最大の魅力なのです。
僕がこの世を去るまであと何年かわかりませんが、そのときには一緒に焼いてもらうように家族に伝えてあります
コードバンを長持ちさせる保管方法
コードバンの長財布を長持ちさせるためには、正しい保管方法が重要です。
まず、使用しないときは直射日光が当てない、風通しの良い場所に保管することです。
また、ときどき柔らかい布やメガネ拭きなどで乾拭きしてあげてください。
僕は不定期に乾燥やザラつきが無いか、チェックしてクリームを塗るなどしてケアしています。
コードバンを長持ちさせる1番よい方法は毎日手で触れてあげること
コードバンを長持ちさせるために最も大切なことは「毎日触れてあげること」です。
その理由は
- 手の脂がコードバンに浸透し、乾燥を防ぐことができる
- 触れる回数が多くなるとその人独特のクセがコードバンに形状記憶され、さらに愛着がわくことで気にかけるようになる
- 手の脂だけでは乾燥や栄養を与えきれないことがあるが、毎日触れていると劣化に気がつきやすい
このように、コードバンは毎日触れてあげることが最高のケアになり、結果として長持ちさせることができるのです。
おすすめの日本製コードバンブランド
多くのレザーブランドが新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めのコードバンを使用して高品質な財布を制作しています。
今回の新旧コードバンはGANZO製ですが、高品質ながらリーズナブルな独自の魅力を持つおすすめのブランドも紹介します。
これらのブランドは、それぞれ異なる魅力と特徴を持ち、コードバン財布を選ぶ際にも一役買うことでしょう。
GANZO
GANZOは、創業100年以上の老舗レザーブランドAJIOKAの一部門であり、その品質は歴史に裏打ちされています。
GANZOのコードバン財布は、日本製の中でも特に高品質で、頭一つ抜けた存在です。
さらに、購入金額の10%が次回の購入時に値引きとして使用できるため、購入者にとって非常にコストパフォーマンスの高いブランドです。
最高品質で次回値引きがあるGANZO。
それがユーザーがリピーターとなる理由の一つです。
GANZOの製品は、その厳しいクオリティ管理と素材の選定により、非常に高い評価を受けています。特に、コードバンの光沢や触り心地は、他ブランドと一線を画していると言えるでしょう。また、デザインもシンプルでありながら洗練されており、ビジネスシーンでもプライベートシーンでも使いやすいアイテムが揃っています。
楽天でGANZOコードバン長財布を見てみるキプリス
キプリスは、リーズナブルでありながら高品質な革小物ブランドとして知られています。
大量仕入れやほぼ自社製造により、手頃な価格を実現しています。
キプリスのコードバン長財布は、多くの種類のコードバンがあります。
ここでは今回の記事でご紹介した外装が同じ新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めで、内装はイタリア製バケッタレザーを採用した長財布をご紹介します。
キプリスの製品は随所に施された工夫により、高品質な素材と丁寧な作りでありながらリーズナブルな価格に抑えられれいることが一番の魅力です。
また、キプリスはカスタマーサービスも充実しており、細かい要望にも応えてくれる点も魅力の一つです。
そして、ブランドのポリシーとして長く愛用できる製品作りを目指しており、アフターケアも充実しています。
コードバンと経年変化 Q&A
まとめ
この記事では、僕が10年間使い続けているコードバン長財布の経年変化について詳しくレビューしました。
新品の時の固さや質感は徐々に経年変化していき、10年間使い込むことで独特の味わいとツヤ、そして唯一無二の存在になりました。
この経年変化こそが、コードバンの最大の魅力と言えます。
コードバンは使い込むほどに経年変化していきます。そして持ち主も深い愛着を持つようになります
おすすめのコードバン財布ブランドについては、僕が所有する多くのコードバンを仕立てた革小物専門ブランドのGANZOとキプリスを紹介しました。
この2つのブランドは僕自身が購入し、使ってみて良かったと思うブランドです。
このふたつのブランドなら品質やデザインに間違いない製品を選びができるでしょう。
「コードバンと経年変化 Q&A」は、コードバンを購入予定がある方の参考になればと思い、僕自身の経験と
考えで回答しました。
長い時間をかけて経年変化したコードバンは単なる革小物ではなく、持ち主にとって特別の価値を持ち、長い年月を共に過ごしたパートナーのような存在になります。
経年変化を楽しみながら、自分だけの生涯の相棒探しの参考になれば嬉しく思います。
楽天でGANZOコードバン長財布を見てみる