エイジングによる美しい光沢と耐久性、持ち主に心躍るような所有感をもたらすコードバン。
長い時間をかけて鞣されたコードバンは、愛用者を魅了し続けています。
僕は10個以上のコードバンの革小物を所有していますが、
今回、コードバンで製造されたキプリスのラウンドファスナーハニーセル長財布を購入して、
実際に使用しレビューすることにしました。
数あるコードバンのラウンドファスナー財布の中でも、キプリスのコードバンハニーセル長財布は
機能性、品質、価格の総合力でトップクラスの実力があることは間違いないでしょう。
すべての要素が高い次元で融合しているのが
キプリスの特徴です
高い満足感と所有感を提供するキプリスのコードバンのハニーセル長財布には、どのような魅力があるのか
そしてその理由を徹底検証してみました。
この記事を読むと、
キプリスのオイルシェルコードバン&ヴァケッタレザーのラウンドファスナーのすべてを知ることができます。
美しいエイジングが楽しめ型崩れせず強靭で10年以上使えるコードバン。
触れる度に持ち主に満足感と所有感を与えてくれます。
コードバンは長く使えるので、深い愛着がわいてくることが魅力です
そのコードバンにハニーセル構造の機能性が合わさり、
内装のヴァケッタレザーのエイジングも楽しめるキプリスのコードバン・ラウンドファスナー財布は
人生をともに歩いてくれる最高の相棒となってくれるでしょう。
【キプリス】コードバン・ハニーセル長財布は使いやすさと品質でNo.1
結論からお伝えします。
持ち主に持つことの喜びと満足感を最も与えるのがコードバンの魅力です。
以下財布をお探しの場合ならこれらの条件を満たすほどキプリスのコードバン・ハニーセル長財布が
1番のおすすめとなります。
その条件とは
- コードバンの財布が欲しい
- その財布を持つことで所有感を感じたい
- Made in Japan
- カードをよく使う
- 視認性、機能性が高い財布が欲しい
- 経年変化を楽しみたい
- 人生の相棒として10年以上長く使いたい
- コードバンが水やキズが弱点であることを承知している
僕はコードバンの長財布を10年使い続けていますので、コードバンの良さは知り尽くしています。
ただし、ラウンドファスナー財布やハニーセル構造の財布は使ったことがありませんでした。
そこでキプリスでダントツの販売個数を誇るシラサギレザーのラウンドファスナー長財布を購入し、
実際にガッツリと使ってみました。
ハニーセル構造による日常の使い良さは
長財布を圧倒してました
今回更にグレードが高くて美しい新喜皮革のコードバンを使ったハニーセル長財布を購入して、
これも実際に使ってみた感想から上の条件を満たす人ほど、この財布が合うという考えになりました。
【キプリス】コードバン・ハニーセル長財布6つの魅力
キプリスのコードバン・ハニーセル長財布は胸ポケットから出して使う度に感じる魅力を備えています。触れるたびに愛着が深まり、所有する喜びを感じさせるその6つの魅力をお伝えします。
- 新喜皮革で鞣され、レーデルオガワで染色した最高品質のコードバンを採用
- 内装は美しいエイジングが魅力のイタリア製ヴァケッタレザー
- 視認性、機能性を極めたハニーセル構造
- ファスナーはYKKの最高峰「エクセラ」を採用
- 選ばれた職人が仕立てる丁寧でしっかりとした縫製
- リーズナブルな価格ながら最高級の素材とハニーセル構造を搭載
ここからはこの6つの魅力について解説します。
コードバン・ハニーセル長財布が持つ、
6つの魅力を深掘りしました
①新喜皮革で鞣されレーデルオガワで染色した最高品質のコードバンを採用
外装のコードバンは新喜皮革✖レーデルオガワの水染めと呼ばれるアニリン染めです。
このコードバンはポーランドやスペイン、カナダから輸入された塩漬けの原皮を兵庫県姫路市にある新喜皮革によって10ヶ月以上の時間をかけて丁寧に鞣されます。
コードバンについて詳しい記事はこちら
そして、新喜皮革からメガネと呼ばれる状態でレーデルオガワに送られ、同社創業者の小川三郎さんが
開発した水染め技法(アニリン染色)によって仕上げられています。
レーデルオガワで人の手によって染められた特別な染色方法により、
コードバン本来のツヤと鮮やかな色味と深みが最大限に引き出され、独特の艶やかさが生まれます。
僕が10年以上使い続けている新喜皮革✖️レーデルオガワのアニリン染めの長財布は、
今も宝物です。
②内装はエイジングが魅力のイタリア製ヴァケッタレザー
内装はイタリアのConceria 800 S.P.A(コンツェリア・オットチェント・エス・ピー・エー社)のヴァケッタレザーが採用されています。
ヴァケッタレザーとCONCERIA 800S.P.A社の記事はこちら
「800」のことをイタリア語で「オットチェント」と言いますが、
西暦800年頃からの伝統技術が社名に反映されています
このレザーはイタリア伝統のバケッタ製法により鞣され、タンニン液に満たされたピット槽というプールで長期間にわたり丁寧に仕上げられることで
柔らかさと強度を兼ね備えた質感になっています。
ヴァケッタレザーは時間と共に色合いが変化し、美しいエイジングが楽しめるのが特長の一つです。
さらに、ヴァケッタレザーの特徴を挙げるとエイジングが早さです。
早くアメ色にしたい方は、日陰で日光浴するとエイジングが進みます
ヴァケッタレザーの美しさは財布の内部に高級感をもたらしていて、
使用するほどに飴色へと変化するこの革は、コードバンと共にこの財布を所有する喜びを一層深めてくれます。
③視認性、機能性を極めたハニーセル構造
上の画像はコードバン&ヴァケッタレザーのハニーセル構造です。
ハニーセル長財布は560工程の緻密な工程を経て製造されます。
このカード入れは、一般的な長財布の250〜300工程と比べて、仕立てに時間と高い技術と手間がかかりますが、
視認性や機能性で他を圧倒します。
一般的な長財布が10時間かけて1日に7〜8個できるところ、
ハニーセル構造の長財布は2〜3個しかできません
ハニーセル構造は、キプリスの親会社のモルフォ社が2000年に開発しました。
実用新案登録 第3205124号で保護されているこの独自の収納構造は、ハチの巣のような形状が特徴で
「ハニーセル」の横にあるⓇは、登録済みという意味の「registered」の頭文字です。
製品に関わる知的財産を保護する制度で、保護対象は物品の形状、構造又は組合せに限定されます
このデザインは見た目が特徴的なだけでなく、多数のカードを収納しながらも財布の膨らみを抑え、
財布を開けた瞬間にカードを一目で識別し、取り出しやすくするために考え抜かれています。
ですので、
このハニーセル構造を持つラウンドファスナーは、
日常的にカードを使う機会が多い人ほど使いやすいというメリットが大きくなります。
僕自身、シラサギレザーとコードバンの2つのハニーセル構造を持つ長財布を使ってみて、その視認性と機能性の高さを実感しました。
ただし、カードはあまり気になりませんが、
小銭を入れ過ぎると膨らんでしまうので注意が必要です
長財布の使い勝手は収納したカードや紙幣をいかに効率よく、素早く取り出せるかに大きく左右されます。
僕がハニーセル長財布を実際に使ってみた結果、ラウンドファスナーとの組み合わせにより中身が飛び出る心配がなく、安心して使用することができました。
また21枚のカードを収納できるカード入れと2つのポケットが付いており、収納力の面でも安心感があります。
ハニーセル構造は視認性と機能性、そして収納力の面で優れた特性を持っていて、利用者にとっては圧倒的に使いやすいのです。
カードやお札、特に小銭を入れ過ぎると
中央が厚くなりますのでご注意ください
④ファスナーはYKKの最高峰「エクセラ」を採用
この財布のファスナーには、
世界シェア45%を誇る日本のYKKの最高級グレード「エクセラ」が採用されています。
エクセラのすぐれた点は以下の通りです。
- 1つ1つのエレメントを丹念に磨かれていて美しい
- スタンダードのファスナーより光沢がある
- エクセラの輝きが高級感を作り出す
上の写真の通り、
YKKのエクセラはエレメント(歯)の一つ一つが丁寧に磨き上げられ、高級感あふれる世界最高峰のファスナーです。
エクセラについてYKKに直接聞いてみました
エクセラについてYKKにメールで3つの質問をしてみました。
- エクセラのテープ部分はYKK様の一般的なファスナーと同じ素材、編み込みなのでしょうか?
- エクセラのセールスポイントは1つ1つのエレメントが磨き込まれていることですが、それによって得られるメリットがあればご教示ください
- エクセラは耐久性で一般的なファスナーより優位ですか?
この回答の前に
「エクセラにも種類が沢山あり一概に申し上げることが難しい部分もございますが、分かる範囲で回答させていただきます。」との記載がありました。
なのでエクセラにもシングル、ダブルなど多くの種類があるので、
今回はキプリスのコードバンのラウンドファスナー財布に採用されているエクセラについて論評します。
以下に回答はそのまま記載しました。
実際にエクセラと一般のYKKファスナーを使った経験を元に
YKKからの回答に僕の考えを付け加えます。
1、 エクセラのテープ部分はYKK様の一般的なファスナーと同じ素材、編み込みなのでしょうか?
テープ部分については、僕が実際に手にして調べてみましたが、
コードバンラウンドファスナー財布のエクセラと、シラサギレザーの一般品ファスナーは同じ材質で編み込みも同じでした。
YKKからの回答の通り、エクセラにも多くの種類があるので一概にはいえませんが、
少なくともキプリスのコードバンに採用されているエクセラのテープ部分は同じものです。
2、 エクセラのセールスポイントは1つ1つのエレメントが磨き込まれていることですが、それによって得られるメリットがあればご教示ください
YKKからの回答は「美しさと滑らかな手触り感」だけの回答でしたが、それプラスして質感が良いように感じます。
ただ、あくまで僕の感想ですが美しさは確かに優れてますが、
手触りは一般的なファスナーとはあまり優位性はないように感じます。
3、エクセラは耐久性で一般的なファスナーより優位ですか?
僕は2ヶ月しか使ってませんが、耐久性はYKKからの回答の通りだと考えます。
さすがYKK、5時間後には返信
質問当日の5時間後に回答を返してくるのはさすが世界のYKK。
世界シェア45%は伊達ではありません。
今まで何度か外国のブランドや鞣し会社に質問しましたが、
当日に返信があったのはYKKだけでした
エクセラのデメリット
YKKに迅速に回答をいただのにエクセラのデメリットをお伝えするのも気が引けますが、
ここは忖度なしでお伝えします。
- 価格が他の金属ファスナー約3倍する
- スライダーの引き心地はあまり変わらない
- 実際の手触りは確かに滑らかだが、大きな差があるわけではない
1、価格が他の金属ファスナー約3倍する
1つ1つのエレメントを磨いているので、どうしても価格が上がってしまいます。
ただし、エクセラはそれに見合った美しさを持っていますし、エクセラの輝きや高級感は一般品とは一線を画すものがあります。
しかし正直なところ財布の価格のうち、ファスナーが占める金額はあまり大きくありません。
20cmから40cmで一般品が400円前後ですが、エクセラは1,500円くらいです。
このラウンドファスナー財布が高額なのは、
コードバンの革を外装に使っていること、
コードバンを仕立てることができる職人さんは数が少ないのも理由の1つです。
2、スライダーの引き心地はあまり変わらない
シラサギレザーのラウンドファスナーに採用されている一般的なYKKのファスナーと比較してみたところ、
スライダーの引き心地はあまり変わりません。
逆にいうと、これはYKKの一般品のファスナーの性能が高すぎて最高級のエクセラといえども、
スライダーの引き心地に大きな差がないということです。
実用性だけで評価すると、エクセラと一般品との差はありません
3、実際の手触りは確かに滑らかだが大きな差があるわけではない
実際にYKKの一般ファスナーとエクセラの手触りの違いを確認するために動画を撮りました。
動画からは違いをお伝えすることはできませんが、確かにエクセラの方が滑らかな手触りがあります。
しかし、YKKには申し訳ないのですが正直なところ驚くほどの大きな差はないように感じました。
※エクセラはYKKで最高峰のシリーズですが、多くの種類があるのでこの記事の内容がすべてのエクセラのデメリットとして100%正しいわけではありません。
ファスナーの引き心地や重さはゴミや汚れの溜まり具合の影響が大きい
ファスナーの引き心地はYKK製品の場合一般品でも高性能であるため、ファスナー自体の性能差よりゴミや汚れの溜まり具合による影響の方が大きいのです。
ファスナーのブラッシングの知識は、
キプリス直営店の店長さんから教わりました
以前に別の記事でも記載しましたが、
キプリス直営店で初めにスライダーの引きが重いファスナーを引かせていただき、
その後店長さんが馬毛でササッとブラッシングしただけで、引きが軽くなった経験からも言えます。
※下の動画は音声が入りますのでご注意ください
YKKのファスナーは一般品であっても、非常に心地よく使用できることは誰もが感じていることですね
その信頼性と性能で世界シェアの45%を占めているのです
⑤選ばれた職人だけが仕立てる丁寧でしっかりとした縫製
コードバンは縫製そのものが非常に難しく、高い技術を持つ職人だけがその作業を行うことができる革です。
しかもコードバンは原皮自体が高価なため、さらに失敗は許されません。
選ばれた職人さんだけがコードバンを仕立てることができるのです
動画の男性は、キプリスのトップマイスターで革職人歴53年の結進(ゆい すすむ)さんという方です。
この方を中心にキプリスには一級革職人が多数在籍しています。
直営店の店長さんによると
キプリスは若手の職人さんの養成に大変力を入れているブランドとのことでした。
日本に21人しかいない革小物の一級職人のうち、
8人が在籍しています(2022年現在)
話は戻りますが、
このコードバンのラウンドファスナーはハニーセル構造といった複雑なデザインを採用していることもあり、
560工程に及ぶ作業は極めて繊細な注意が求められます。
ですので、
ある意味革財布の難易度の頂点とも言えるのが、コードバンを使用したハニーセル構造のラウンドファスナー財布です。
長年の経験を積み、高い技術を持つ職人だけが、
コードバンのラウンドファスナーを仕立てることができるのです
⑥コードバンのラウンドファスナー財布リーズナブルな価格ながら、高品質素材とハニーセル構造を搭載
キプリスのコードバン・ハニーセル長財布は、厳選されたコードバンを使用し、高品質かつ高機能を実現しています。
更にキプリスのこだわりは、ただ優れた製品を作るだけではなく、
それをリーズナブルな価格で提供する点にあります。
工夫と企業努力の積み重ねでリーズナブルな価格を実現しているのが
キプリスです
カードを使う人はハニーセル構造のラウンドファスナーがベスト
ラウンドファスナー財布は、一見ファスナーの開閉が面倒に感じますが、
実際に使い慣れてみると特に面倒には感じませんでした。
ラウンドファスナー財布は初でしたが、僕の場合
ファスナーの開閉は面倒には感じませんでした
僕自身、10年以上にわたって長財布だけを使っていましたが、
特にハニーセル構造を持つラウンドファスナーは
カードを瞬時に視認でき取り出しやすい上、整然と保管できるので日々の使用においての機能性は普通の長財布を圧倒します。
ラウンドファスナーを1ヶ月使ってから、
長財布に戻しましたが、使いやすさではラウンドファスナーが圧倒的です
こうした点が高い機能性を求めるユーザーにとって、ハニーセル構造のラウンドファスナー財布を特別な存在にしています。
キプリスだけのハニーセル構造
キプリスはハニーセル構造で、他に類を見ないラウンドファスナー財布を仕立てています。
このハニーセル構造は意匠登録もされており、キプリスだけの魅力となっています。
この構造により、視認性を確保しながら財布内のカードスロット(カードを入れる部分のこと)の収納量が増加し、
それぞれのカードが独立しています。
これによりユーザーは必要なカードをすぐに、そして簡単に見つけ出すことができます。
カードをよく使う方にとってキプリスのハニーセル構造は、日常生活での利便性を大幅に向上させる考え抜かれたデザインなのです。
【キプリス】ヴァケッタレザー長財布のユーザーの声
購入者の声
以下はキプリスの公式サイトから引用したユーザーの声です。
2024年2月14日現在で8件のコメントがありすべて⭐️が5つでした。
ただし、これらのユーザーの声はキプリスの公式サイトから引用なので、
どれも褒めすぎの印象があります。
どこの公式サイトもユーザーの声は良いことしか掲載しませんので、
失礼ながら、100%鵜呑みするのは疑問です
僕自身もコードバンのラウンドファスナー財布を購入して使用したユーザーとして、
ほぼ同じ意見ですが、
シラサギレザーからの買い替えや、初めてコードバン財布を購入する人は注意が必要です。
外装がコードバンなので、シラサギレザーよりもはるかにキズが付きやすく、
かつ、水に弱いので、他の革素材よりも気遣いが必要だからです。
そこで、ここからはこのコードバン・ハニーセル長財布のデメリットをお伝えしたいと思います。
コードバン・ラウンドファスナーハニーセル長財布のデメリット
キプリスのコードバン・ラウンドファスナーハニーセル長財布は、美しく、優れた機能性を有してますが、
いくつかのデメリットも存在します。
外装がコードバンなので高額
外装がコードバンを採用しているため、どうしても高額になってしまいます。
コードバンは欧州やカナダの大型食用馬の尻部分の革を使用した高級素材であり、その独特のツヤと質感が魅力です。しかし、この素材を使用することで製品は高額になることは避けられません。
美しい光沢や牛革よりも高い耐久性、所有する喜びを感じさせる一方で、
予算によっては手が出しにくいというデメリットもあります。
コードバンを採用したラウンドファスナー財布はどのブランドも高価格であることは避けられません。
キズがつきやすく、水には注意が必要
コードバンの弱点として、キズがつきやすい点が挙げられます。
上の写真のキズはこのコードバンのラウンドファスナー財布を握った時に、うっかり爪でつけてしまった直後の写真です。
この程度のキズは時間とともに少しずつ薄くなってきますし、キズはその財布が持ち主と共に生きてきた証しですので、僕個人は味としてとらえています。
キズはどの革であっても使い続けると避けられませんし、
だんだんと味わいになってきます
コードバンにキズをつけてしまう原因
- アスファルトに落としてしまう
- 爪が擦れてキズになる
- カバンやバッグから出し入れするときのファスナーでキズになる
上の3つがコードバンのキズの原因として多いものです。
コードバンは日常的な使用で避けられない小さな擦れや衝撃でも跡が残りやすいです。
キズがつきやすいのはコードバンの宿命ですが、
小さなキズなら時間とともに目立ちにくくなります
しかし、キズはコードバンの風合いを増し、長年使ううちに財布と一緒に生きてきた証となりますし、
使い続けることでキズは目立ちにくくなるため、
長く愛用する方にとっては、初めは少し落ち込みますが、使い込んでいくうちに、気にならなくなります。
水に濡れることは他の革より注意が必要
コードバンは水に非常に弱いのがデメリットです。
雨や水滴がついた場合、すぐに拭き取らないとブクと呼ばれる独特のふくれの原因になり得ます。
先日、大雨でうかつにも傘もささずに屋外の八百屋さんで買い物をした時に、
コードバン・ラウンドファスナー財布がかなり濡れてしまいました。
ブクができてしまった時の心の落ち込みを経験しているので、
この時は本当に慌てました
お店の方が不思議そうに見てました^^;
僕がかなり慌てて、ズボン、シャツで付着した水を取ったので、お店の方が不思議そうに見ていましたが、
素早く水分を拭き取ったので、
下の写真の通り、すぐに拭き取ったのでブクはなく、キズもできませんでした。
この後、1時間半ほど車内でゆっくりと乾燥させ、ことなきを得ました。
コードバンの種類によりますが、水染めコードバンの場合ほんの30秒〜1分くらいでコードバンの繊維が立ち始め、
ブクができますので、人目を気にする余裕はありませんでした。
コードバンが不意に水に濡れた場合の対処法としては
- できる限り早く濡れた部分から水を取り除く
- ただし、その時に慌ててボタン、ファスナーなどの固い部分でキズはつけない注意が必要
- 顔料染めコードバンの場合は表面が塗料でコーティングされているので慌てる必要はない
濡れてしまったらとりあえず、スボン、シャツでもなんでもいいですから、すぐに優しく拭き取り、
自然乾燥させることをおすすめします。
絶対にドライヤーで強制的に乾燥させないでください。
ドライヤーで急激に乾燥させると、濡れた革の性質により、思わぬ形に変形してしまう可能性があります。
今回、雨はコードバンの天敵だということを忘れてしまい、
コードバンを愛する者として反省しています
ハニーセル構造のラウンドファスナー財布は厚みがあり、サイズは大きめ
キプリスのハニーセル構造を持つラウンドファスナー財布は、収納性に優れており小銭やカード類をたくさん入れることができます。
コードバンのラウンドファスナーにも21個のカードポケットがあります。
基本的に小銭は少なめが良いでしょう。
僕は別途小銭入れを携帯しています
しかし、この構造が原因で財布は厚くなりがちです。
特に小銭を入れすぎるとさらに膨れて厚くなり、ミニバッグやポケットに収めにくくなる可能性があります。
使い始めはハニーセルポケット以外のカードポケットの出し入れがきつい
ハニーセル構造のカードポケットはまったく問題ありませんが、他のカードポケットは初めのうちは出し入れが少しきつめです。
上の動画の通りハニーセルのポケットは問題ありませんが、他のカードポケットは少しキツめです。
使い始めは少しキツめで出し入れしにくいです。
ただし、これは一般の長財布のカードポケットにもいえることで、
使い続けると解決することなので、大きな問題ではありません。
【キプリス】ハニーセル構造のラウンドファスナーが向かない人
- 普段から背広着ていて、財布を胸ポケットに入れる必要がある人
- 極力財布を小さくしたい人や小さめのバッグを使用している人
1.普段から背広着ていて、財布を胸ポケットに入れる必要がある人
日常的にスーツを着ている方で、胸ポケットに財布を入れる場合はシルエットが崩れますので、あまり向かないかもしれません。
これはコードバンもシラサギレザーも、ラウンドファスナー財布なら同じことですのでご注意ください。
2.極力財布を小さくしたい人、小さめのバッグを使用している人
極力財布を小さくしたい人や普段から小さめのバッグを使用している方にとって、
ラウンドファスナー財布は大きすぎるかもしれません。
厚さやサイズが大きくなってしまうのがラウンドファスナーのデメリットです。
しかしその分収納性は他の財布の比ではありませんので、
それぞれのライフスタイルにあった財布選びが大切です。
【キプリス】ヴァケッタレザー長財布 Q&A
- キプリスのラウンドファスナー財布の購入を考えてます。初めて購入する場合、シラサギレザーとコードバンでは、どちらがおすすめですか?
-
まったく初めてのラウンドファスナー財布ならシラサギレザー&ハニーセル長財布がおすすめです。
僕はどちらも購入して実際に使った経験から、コードバンの扱い方をご存知の人ならコードバンをおすすめしますが、そうでない場合はシラサギレザーのラウンドファスナー財布の方が良いと考えます。
確かにコードバンのラウンドファスナー財布は別格の魅力がありますが、
シラサギレザーも独特の味わいがあり、しかもコードバンよりずっとリーズナブルで、扱いやすいからです。
コードバンでないとダメという方以外で、革財布の初心者の方は、シラサギレザーからスタートするのが良いでしょう。 - オイルシェルコードバン&ヴァケッタレザーは、なぜシラサギレザー&ハニーセル長財布の2倍以上の価格なのか理由を教えてください。
-
はい。本文でも解説しましたが、その理由をまとめると、
- 外装に使用されているコードバンの価格がシラサギレザーよりもはるかに高価で、ここ数年で30%以上高騰しているから
- コードバンを使った革小物を仕立てることは高度な技術が必要で、それができる職人は少数だから
- 内装のヴァケッタレザーはイタリアのトスカーナ地方でタンニンのプール(ピット槽と呼びます)で、
時間をかけて鞣された高級な皮を使っている - 一般のYKK製ファスナーの3倍の価格のエクセラを使用
- 縫製がシラサギレザーより更に丁寧で、太い糸が使われている
自動車に例えると
シラサギレザーはプリウスで、コードバンはクラウンやレクサスのような感じになります。 - 1つの財布を何年も長く使い続けたい場合はコードバンとシラサギレザーのどちらがおすすめですか?
-
コードバンがおすすめです。
コードバンは牛革であるシラサギレザーよりも、コラーゲン繊維が圧倒的に緻密に組み合わさっていて
型崩れしないので、
日常で手に触れて使うことと、たまにお手入れさえすれば10年以上使い続けられます。ラウンドファスナータイプの長財布の場合は、普通の長財布に比べてファスナー部分が破損しやすいというデメリットがありますが、
今回ご紹介したキプリスのコードバンに採用されているYKKのエクセラは耐久性が高く、普通のファスナーに比べて故障が少ないのです。更に万一故障しても、公式サイトか直営店で購入した場合は1年間の無料修理の補償付きですし、
有償であれば修理もしてくれますので、長く愛用できます。 - コードバン自体が大好きなので、コードバンで仕立てられた財布の購入を検討していますが、ラウンドファスナーと長財布ではどちらがおすすめですか?
-
質感、ツヤ、所有感などコードバン自体に魅力を感じている割合いが大きい人が長財布をおすすめです。
理由は、
長財布の外装はコードバンだけですので、金属ファスナーがついたラウンドファスナー型長財布よりもコードバンの魅力が楽しめるからです。
僕は長財布、二つ折り財布、ラウンドファスナー、小銭入れ、名刺入れの5種類のコードバンの革小物を持っていますが、コードバンの魅力を最も感じられるのは、長財布だと確信しています。
ただし、外装がコードバンをお望みであっても、機能性、視認性を重視している場合は、
ラウンドファスナーがおすすめです。 - コードバンはこれからも価格が上がり続けますか?
-
はい、その可能性が高いです。
- コードバン自体の生産量はそれほど極端に落ちているわけではありませんが、鞣し会社がより高品質の原皮を取り合っている
- コードバンが採れる食用馬が経済効率を優先した結果、小型化している
- 新興国でのコードバンの需要が増えている
- コロナ後の円安の影響
価格が下がる要素がほぼありません。
レーデルオガワのHIDEKIさんは、YouTubeで2024年も3月〜6月くらいに更に価格が上がる可能性があるとおっしゃっています。
LEDER OGAWA コードバン業界の裏話「値上げの時期は何時なのか⁉」
まとめ
キプリスのコードバン・ラウンドファスナー長財布は長く使うほど魅力と愛着が湧く最高の逸品です。
長く使えることはもちろん、機能性においては他の追づいを許しません。
その理由は新喜皮革の水染めコードバンとキプリスの技術、そしてハニーセル構造がハイレベルで融合した財布だからです。
実際に1ヶ月以上使ってみて、
比較的カードを使う機会の多い僕には、長財布より使いやすかったです
その上、コードバン・ラウンドファスナー財布はYKKの最高級ファスナー「エクセラ」を採用していて、
この財布を所有する人は、大きな所有感や満足感を味わえます。
触れるたびに感じる心地よい手触りと、コードバンのツヤ、煌めくエクセラが醸し出すさりげない高級感は、
まさに一流の証しです。
そして日常使いで感じられる機能性と、使うほどに深まるコードバンとヴァケッタレザーの味わい。
これらが合わさって
やがて世界でその人だけの、たった1つの財布になるのです。