コードバンの財布はエイジングが楽しめて人生がプラスに向かいます!

あなたには、あなたの心を癒すものはありますか?

何か一つでも気分や気持ちを上げるものがあれば人生に楽しみができ、うるおいを得ることができ、人生そのものをプラスに向かわせることができます。
僕にはコードバンという革があります。
コードバンは持ち主と共に人生を歩き、少しずつ変化していく特長があります。

この記事はより多くの方にコードバンの良さを知ってもらい、その素晴らしさを実感してもらいたいという思いで書きました。

hinode

コードバンは使い込むほど美しい独特のエイジングが楽しめる特別な革です

この記事を読むと、

持ち主と一緒に人生を歩みながら年齢を重ねてくれる最高の革、コードバンの魅力を知ることができます

目次

コードバンとは?

コードバンはヨーロッパ産の大型馬のお尻の皮(かわ)から作られる非常に丈夫な革(かわ)で、高い品質、光沢と高級感があり、

靴やバッグ、財布などの高級革製品に使用されます。

牛革よりもさらに美しい経年変化を楽しめるので、革製品としての機能以外にコードバンを所有することで心地よい満足感や富裕感を味わえます。

hinode

「皮」は動物の表皮そのままの状態のことで、
「革」は製品として使える状態に加工したものつまり、鞣し(なめし)を終えた皮を指します

※「鞣し」とは、皮を革に加工することで、動物から採取した皮を腐らないようにして、革製品の材料として使える状態にすること

動画は僕が所有している日本製のコードバンの小銭入れ

製品化される前のコードバン

製品化される前のコードバンついてお伝えします。 コードバンはヨーロッパの大型農耕馬または食用馬のお尻から採取された皮をさまざまな工程で加工し、製品化された希少な革です。

供給量だけから考えても牛革の300倍以上の価値があります。

独特の美しい光沢と耐久性が魅力で、主にポーランド、フランス、スペインなどヨーロッパから塩漬けの状態で日本に輸入されます。

塩漬けされたコードバン(youtube 新喜皮革の社長と行く工場見学#01より引用※写真の塩漬けのコードバンは食用にされた後の副産物として発生したもので革を採るために屠殺するのではありません。

そして実質世界に2つしかない鞣しを行う会社での加工を終えてから革製品の会社に出荷されます。

hinode

確かな技術でコードバンの鞣しができるのは、世界でも実質のところ、日本の新喜皮革とアメリカのホーウィン社の2社だけです

コードバンは牛革の3倍の強靭さをもつ

コードバンは牛革に比べて細いコラーゲン繊維が非常に密集してます。

これにより、牛革と同じ厚さの場合約3倍の強度になり、この構造がコードバンの特徴の源になります。

ただし、3倍の強度というのはあくまで革の「強靭さ」(形崩れしにくいなど)のことで、表面は牛革よりも傷がつきやすいのでご注意下さい。

※下の写真はコードバンではなくホースハイド、つまり普通の馬革と牛革の比較です。コードバンはホースハイドよりさらに緻密になります。

「コードバン大学「シン・コードバンのすべてが解る動画 Part2」)より引用)

採取が困難で加工が難しい

採取が難しいコードバンについてお伝えします。

コードバン牛革
採取方法・部位ヨーロッパから輸入される大型馬のお尻のみに存在一般に国内で入手可能
採れる確率輸入した革に100%含まれるわけではない個体数分だけ採れる
加工方法表皮と、とこ面の間に存在するコードバン層を裏側から削り出す銀面(ほぼ表面)を加工
完成品にするまでの時間約10ヶ月約1ヶ月

コードバンはサラブレッドなどの軽量馬(400kg〜500kg)からはまったく採れません。

体重が800kg〜1,000kgという日本ではほぼ見かけない(青森、熊本に少数存在する)大きな馬のお尻からしか採取できないのです(しかも、100%採取できるわけではない)

さらに、牛革や普通の馬革とは違い、一般的に銀面(処理した革の表面)と呼ばれる部分ではなく、

銀面の下にある約1mm前後のコードバン層を裏側から削りだして加工、製品化するため、非常に手間と時間がかかるのです。

年々輸入量が減少し価格も上昇し続けている

アメリカのシカゴにあるホーウィン社(新進工房【革職人の裏側】より引用)

コードバンは年々輸入量が減少していて、

価格は上昇し続けています。主な理由は

コードバンの価格が上がる理由
  • コードバンが採れる大型の農耕馬、食用馬が減少
  • 大型の馬が経済的理由で小型化
  • 供給量は減っているが需要は上がっている
  • 特にホーウィン社のコードバンは今後もさらに上昇する可能性が大

昔は800kg以上の食用馬は農耕馬としても飼育されていましたが、農耕機器の発展で馬で農耕することが減りつつあります。

そして、馬を大きく育てると飼料代がかさんでしまうため、大きくなる前に食肉に加工され、馬自体が小型化。

そのため、採取できるコードバンの原皮自体が小型化しています。

このように供給は減少傾向ですが、コードバンの需要は中国や経済発展が著しいアジアを中心に上昇傾向です。価格は需要と供給のバランスで決まってしまうのです。

特に最近はコロナ、円安の影響でさらに価格が上昇しています。ざっくりですが、ここ2〜3年で10%ほど上昇しています。

特にアメリカ、イリノイ州シカゴにあるホーウィン社のシェルコードバンは、アメリカの昨今の物価上昇(2023.6月現在)の影響も重なり、価格は更に上がってくることは間違いありません

写真はホーウィン社シェルコードバンの名刺入れ(色は染色なしのナチュラル)です。

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日本のコードバン財布はレーデルオガワ抜きでは語れない

レーデルオガワ
美しいレーデルオガワのコードバン(レーデルオガワHPより引用)

日本でコードバンについて語る時にはレーデルオガワは避けて通れない存在です。

今回の記事も多くはレーデルオガワの専務でコードバンのyoutube番組「コードバン大学」を運営されてるHIDEKIさんの動画から引用して書かせていただきました。

hinode

HIDEKIさんの動画から、
コードバンに対する深い愛情を感じます

以下にコードバン加工専門会社のレーデルオガワについてお話しします。

レーデルオガワは、1971年に創業されたコードバン専門のフィニッシャー(鞣した革を製品にする前まで加工する会社)です。

創業者の小川三郎さん(1929年〜2012年)はコードバンの魅力に惹かれて若い頃から研究を継続。

1971年にオガワ染工所としてスタートしました。

多くの困難を乗り越え、1990年、悲願だったアニリン染めコードバンを完成させます。

8年使ったGANZO製のコードバン財布
8年使って今も現役の新喜皮革✖️レーデルオガワ✖️GANZOの長財布

コードバンの輝きと魅力に取り憑かれた小川三郎さんがその美しさを極限まで引き出す技術を確立させ、コードバンの染色加工の世界に多大な功績を残されました。

小川さんが逝去された後もレーデルオガワは、

アニリン染め(手間暇はかかるが、最も美しくてエイジングを楽しめる染色方法)を主体とした美しいコードバンを世界に供給しています。

レーデルオガワのヒストリーレーデルオガワHPより

なお、レーデルオガワは2022年よりコードバン製品のオリジナルブランド「unique」(ユニコーン)を立ち上げました。

ブランドコンセプトは「ユーザーの人生を良い方向へ変化させる「小さなきっかけ」を提供する事」 https://www.youtube.com/embed/J146Ra5FBfU

僕は控えめでありながらも人生をプラスに向かわせるという表現が素晴らしいと感じています。
UNIQUEON

鞣しを終えたコードバンが革製品の材料になるまで

新喜皮革やホーウィン社などで鞣しを終えたコードバンが革製品の材料になるまでをお伝えします。

hinode

ここではコードバン製品として多く流通し、最も美しいエイジングが楽しめるアニリン染め加工についてお伝えします

「メガネ」というパリパリの革の状態でレーデルオガワなどの加工会社や革製品製造会社に送られます。

ご覧の通りかなり大きな革です。

しかし、実際にコードバンとして革製品の染色に使えるのはこの大きさの約半分以下になってしまいます。

メガネを持つ写真のHIDEKIさんは、レーデルオガワ創業者小川三郎さんのお孫さんです。

メガネを持つレーデルオガワのHIDEKIさん

すべてyoutube番組 LEDER OGAWA #4コードバンのすべてがわかる動画より引用

①油入れ・伸ばし

加工方法によっては大きな樽のようなものに油とお湯を入れて回転させるのですが、レーデルオガワのアニリン染めは1枚ずつ職人が手作業でコードバンを油に入れて加工します。

この油入れと伸ばし(圧力をかけすぎず、銀面から油を搾り出す作業)でコードバンの品質の80%が決まってしまいます。

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この加工で一人前になるまで4年はかかるので、
まさに職人の技術が光る工程です

油の配合は創業者の小川三郎さんが考案しました。成分は主にラード(豚の油)や魚油です。

右の写真はコードバンから余分な油を抜いている作業です。

スリッカーという鉄のプレートを木で挟んだ工具で取り除きますが、その工具を作ったのも創業者の小川三郎さんです。

②乾燥

乾燥は直射日光を避け、1枚1枚時間をかけて慎重に行われます。

急激な乾燥はあとの加工で弊害が出てくるので、垂直に垂れ下がるように釘で打ち付けて、

1日目は自然乾燥させ、2日目以降はエアコンを使って温度・湿度をしっかりと管理しながらゆっくり乾燥させます。

HIDEKIさんは「人の肌と同じように」作業を進めていくとおっしゃっていました。

1枚1枚ていねいに時間をかけて乾燥させる

③削り

紙やすりのセット画像
紙やすりをセットする
全神経を集中させてコードバン層を表面に削り出す

削りの工程はコードバン層が表に顔を表すための作業になり、目の荒さが違ういくつもの紙やすりを使って少しずつ何回もコードバンの上にある膜を削っていきます。

コードバン層は厚さ1mmしかないので削りすぎるとその革はコードバンでは無くなってしまうため、非常に神経を使う作業になります。

最終的には革の透き通り具合で職人さんが判断して完成させていきます。

⭐️コードバン層を裏側から削り出す理由

コードバン層を裏側から削り出す理由は、コードバン層を表に出すだけなら表皮側(毛が生えている面や銀面方向)から削る方がコードバン層に近くて加工しやすいのですが、

銀面とコードバン層は密接に結合してて銀面を削ってコードバン層だけにすると強度が落ちてしまいます。

つまり、コードバンの強度は銀面の厚さに頼っているのです。

コードバン層

                                

hinode

強度的に重要な銀面を残すために、あえてコードバン層まで遠い裏側の皮下組織から削り出すのです

④グレージング

グレージングはツヤを出す作業ですが、工作機械の動きが絶妙で、

圧を加えられてどんどんツヤが出る様子をご覧いただきたかったので

youtubeから引用させていただきました。

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